竹蛇籠と中聖牛
竹蛇籠(たけじゃかご)とは
竹蛇籠は、竹を編んだ筒状の籠の中に石を詰めたもので、古事記にも記載のある日本の伝統的な河川工法です。
竹蛇籠の特徴
竹蛇籠は人の手で作ることができます。また、竹でできた籠は軽く、簡単に運ぶことができます。石の隙間に水が入り込み、小魚や水辺の昆虫などの住処になります。竹は水中で腐りにくいので長年使うことができ、また役目を終えれば自然にかえり、周りの環境に悪い影響を与えません。
竹蛇籠の設置
2015年に木津川15.2Km の本川の両側に6基の竹蛇籠を設置して、流路の流速を速めて「瀬」を保全するとともに、河床の低下を抑制するようにしました。
2017年からは中聖牛のおもしとして中聖牛と組み合わせて、毎年3基ずつ作り2020年までに
12基の中聖牛を木津川に設置してきました。1基の中聖牛には4mの竹蛇籠を9本使っています。
写真は2020年に設置した8mの竹蛇籠3本。
中聖牛(ちゅうせいぎゅう)とは
丸太を組み合わせ、おもしとして蛇籠を乗せた透過型の水制工の一つであり、 伝統的な水制工法「牛(うし)」の一種と位置づけられます。牛枠類については甲州富士川筋をルーツとし、江戸時代後期以降に全国に 広まったといわれています。従来は「ひじりうし」と呼ばれていましたが、高さが 6m 程度のものを大聖牛(だいせいぎゅう)、 4m 程度のものを中聖牛(ちゅうせいぎゅう)と呼ぶようになってきました。
やましろ里山の会では 2017年 から、静岡県から原小組の社長さんや職人さんに来ていただいて 指導を受けながら4群12基の中聖牛を作ってきました。特に2020 年には自分たちの力で3基の中聖牛を作ることができました。丸太の材は硬くて強いカラマツを使用していますが、 長さ 7.5m の棟木と、長さ 6.5m の桁木 2 本は特別注文になっています。
2022年には今までと違って木津川 20Km地点に新たに4基の中聖牛を製作しました。
2022年2月 中聖牛製作のビデオ(Youtube 9分)
将棋頭型竹蛇籠水制の製作
2024年2月と2025年2月に 6m の竹蛇籠を左右に3本ずつ積み重ねた将棋頭型竹蛇籠水制を、砂州の地形を変え水辺環境を多様化するために設置しました。これは増水時の流れを2分し、砂州上に2次流路を形成を促すことを目指しています。また増水時の越水により、将棋頭内部に深さ1m以上のプールもできました。